◆ 令和4年度 活 動 報 告 シ ー ト ◆
団体名:NPO法人自然環境観察会
URL:https://nature-garden-walk.jimdofree.com/
1. 活動概要
プロジェクト名:都市と農村の『緑のオアシス』と生物多様性の保全および環境学習の推進
都市近郊の大宮台地北部に『いやしの生物』の回復を目指し農地や庭の隅に生態補償地『緑のオアシス』を設け、ジャコウアゲハやアオスジアゲハ、タテハチョウ、テントウムシ、クモ、野鳥の温存、および生物相を観察した。加須生態園では生物相解明の月例観察を継続した。以上の成果の広報、自然観察会、ワークショップも実施した。
2.活動の内容(調査・保全および環境学習の実施時期、参加人数、活動内容など)
1)定例観察会:各地の緑のオアシス(4~12月)および県環境科学国際センター生態園
(4~11月)で昆虫クモ類鳥類の観察と保全を行った。・・・・・・・のべ60名参加
2)環境学習:3月オンライン講習会、写真左1:5月オアシス観察とたき火(8名参加)、
(6月と11月)上尾市環境パネル展(各100余名)、
桶川の生態補償地 ・・・写真
8月標本作り(50余名)、11月秋の観察会(20余名)、
1月桶川生態補償地の管理(6名)。
左1:春の観察と焼芋大会 2:上尾市環境パネル展
3:県活標本作り 4:上尾市秋の観察会 5:桶川生態補償地冬の管理
3.活動の成果
1)前年同様上尾と桶川の2か所の生態補償地に寄主植物(ウマノスズクサ、クスノキ、シ
ロダモ)および蜜源を植え観察した。桶川(農村)ではジャコウアゲハ、アオスジアゲ
ハが定着した。またローズマリー、タチヤナギ、ユキヤナギ、ダイオウグミ、コデマリ
などを植栽しテントウムシ、カマキリ類、クモ類を保全した。上尾(都市)ではプラ
ム、サクラ、ウメなどでメジロ、ジョウビタキ、ツグミ、コゲラ、エナガ、モズ、ツミ
などを、桶川では上記に加えヒバリ、キジ、モズ、チョウゲンボウを観察した。上尾で
はジャコウアゲハは越冬しなかったのか、春以降発生しなかった。
2)都市と農村の『緑のオアシス』の3年間の観察は全12目279種の昆虫クモ類を記載した。
アゲハ、タテハ、ナミテントウ、アキアカネ、キマダラカメムシが多く、分類目ではチ
ョウ目、コウチュウ目、トンボ目、クモ目が目立ち、全10目131種(全種数の47%)が
保全候補に選定された。
3)特記:保全種ジャコウ、アオスジ、キマダラカメムシなどの年次変動の解明が必要であ
る。
4) 成果は広報誌-16「生態補償地(緑のオアシス)づくり、同-17「同~保全候補生物の選定
と観察」に発行した。研究会誌、市の広報で公表した。
4.今後に残された課題
・緑のオアシスの植栽、除草、餌・蜜源植物の植栽を続け機能的生物多様性を安定させる。
・都市(住宅地)でジャコウアゲハが無発生になった原因の解明に着手する。
・生態園と各オアシスの生き物調査、データベース化および公開、環境学習を継続する。